介護施設で多いのは、転倒事故です。介護者がどんなに気をつけて予防対策していても、利用者は高齢者のため、足腰が弱っていたり、体調不良に気がつかなかったり、思わぬところで転倒してしまうこともあるからです。この転倒事故は、発見したときの対応が大切になってきます。転倒事故を発見したら、現状維持をしたまま意識確認をします。何故なら、無理に動かして症状が悪化するのを防ぐためです。寝かしたままの状態で、周囲に応援を頼み、意識の確認をします。
まずは大きな声で呼びかけ、それに対して応答が出来るかどうか確認します。ただ、高齢者は耳が遠い人もいるので、肩を叩き刺激を与えながら呼びかけるのも方法です。意識がもうろうとしていたり、冷や汗をかいていたり、呼吸が速くなっている、呼びかけても反応が無い場合は、すぐに救急車を呼びます。呼吸の無い場合は、救急車を呼んだ後にAEDなどを使って心肺蘇生をします。
意識の確認が出来たら、外傷の有無や腫れや出血などを確認します。また、痛みの具合で骨折なども疑います。高齢者の場合は、翌日になってから痛みを訴える場合もあります。その場で痛みがなくても、数日は注意深く観察することが大切です。また、吐き気やめまいなどの訴えも確認します。転倒したときにどこを打ったのかわからないので、気になる症状がある場合は、すぐに医者に相談するといいです。自分だけの判断ではなく、スタッフや事業者で情報を共有して、利用者の不安がなくなるような対応を心掛けましょう。