介護施設内で転倒事故が起こった場合、家族に対して事業者側は、今後も家族が不安にならずに利用できるよう、真摯な対応が求められます。転倒事故が起きて、利用者が怪我をするなどした場合など、介護施設のスタッフや事業者に責任の追及が起こる可能性もあるため、転倒事故が起きた場所や状況などを、きちんと聞き取りをしておく必要があります。その際には事故防止対策が取られていたか、介助方法は正しかったか、対処は適切であったかなどの情報をくみ上げます。
また、利用者の家族にも、転倒事故の事実を隠さずにきちんと説明します。謝罪をすることは道義的責任といって、治療代や慰謝料の賠償責任のような法的な責任を認めることではありません。施設内で事故が起きてしまったことに関して、申し訳なかったと家族に謝罪して真摯な態度を示します。そして、状況説明の際には誰にでも分るように専門用語などは使わずに、しっかりと事実を伝えましょう。利用者の家族が誰に効いても食い違わないように、スタッフ間でも情報は共有しておきます。その後は転倒事故の再発防止や、自治体や保険会社への報告などを行います。
利用者の家族が安心してまた施設を利用してくれるかは、事業者側の対応次第です。その後も安心して利用してもらえるように、事業者は真摯な態度で向き合いましょう。ただ、責任追及があるような場合は、弁護士に相談するといいです。安全配慮義務違反があったかどうかは、明確な判断基準がないので、対応も難しいでしょう。